コーポレート・ガバナンス
基本的な考え方
当社は、常に最良のコーポレート・ガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでまいります。
当社は、当社の持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を図る観点から、意思決定の透明性・公正性を確保するとともに、保有する経営資源を十分有効に活用し、迅速・果断な意思決定により経営の活力を増大させることがコーポレート・ガバナンスの要諦であると考え、次の基本的な考え方に沿って、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。
1.
株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
2.
株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーと適切に協働する。
3.
会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
4.
独立社外取締役が重要な役割を担う仕組み(取締役会の構成、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の設置等)を構築し、取締役会による業務執行の監督機能を実効化する。
5.
中長期的な株主の利益と合致する投資方針を有する株主との間で建設的な対話を行う。
社外役員の独立性判断基準
当社は、社外取締役及び社外監査役(以下「社外役員」と総称する)または社外役員候補者が、当社において合理的に可能な範囲で調査した結果、次の各項目のいずれにも該当しないと判断される場合に、独立性を有しているものと判断します。
①
当社及び当社の関係会社(以下、併せて「当社グループ」という)の業務執行者 *1
②
当社グループを主要な取引先とする者*2又はその業務執行者
③
当社グループの主要な取引先*3又はその業務執行者
④
当社の大株主(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者)又はその業務執行者
⑤
当社グループが総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者又はその業務執行者
⑥
当社グループの会計監査人である監査法人に所属する者
⑦
当社グループから役員報酬以外に、多額*4の金銭その他の財産上の利益を受けている弁護士、公認会計士、税理士又はコンサルタント等(当該財産上の利益を得ているものが法人、組合等の団体である場合には、当該団体に所属する者)
⑧
当社グループから多額*4の寄付又は助成を受けている者又は法人、組合等の団体の理事その他の業務執行者
⑨
当社グループの業務執行取締役、常勤監査役が他の会社の社外取締役又は社外監査役を兼任している場合において、当該他の会社の業務執行取締役、執行役、執行役員又は支配人その他の使用人である者
⑩
上記①に過去10年間において該当していた者
⑪
上記②~⑨に過去3年間において該当していた者
⑫
上記①~⑨に該当する者が重要な者*5である場合において、その者の配偶者又は二親等以内の親族
1.
業務執行者とは、法人その他の団体の取締役、執行役、執行役員、業務を執行する社員、理事、その他これらに準じる者及び使用人ならびに過去に一度でも当社グループに所属したことがある者をいう。
2.
当社グループを主要な取引先とする者とは、直近事業年度におけるその者の年間連結売上高の2%以上の額の支払いを当社から受けた者をいう。
3.
当社グループの主要な取引先とは、直近事業年度における当社の年間連結売上高の2%以上の額の支払いを当社に行っている者、直近事業年度末における当社の連結総資産の2%以上の額を当社に融資している者をいう。
4.
多額とは、過去3事業年度の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、法人、組合等の団体の場合は、当該団体の連結売上高もしくは総収入の2%を超えることをいう。
5.
重要な者とは、取締役(社外取締役を除く)、監査役(社外監査役を除く)、執行役員及び部長格以上の上級管理職にある使用人をいう。
参考 開示の根拠
【原則4-9.独立社外取締役の独立性判断基準及び資質】取締役会は、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえ、独立社外取締役となる者の独立性をその実質面において担保することに主眼を置いた独立性判断基準を策定・開示すべきである。また、取締役会は、取締役会における率直・活発で建設的な検討への貢献が期待できる人物を独立社外取締役の候補者として選定するよう努めるべきである。
コーポレート・ガバナンス体制
当社は監査役制度を採用しており、取締役会、監査役会の各種機関を設置しております。また、取締役会の諮問委員会として、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置しております。
取締役会は社外取締役4名を含む、12名で構成されております。また、取締役会は毎月1回の定例開催に加え、適宜必要に応じて臨時に開催しております。取締役は各セグメントごと、並びに関西、首都圏の各地方ごとに選任され、それぞれの事業分野、地方の状況に関する専門知識をもった取締役が経営の意思決定に参加することで的確な経営の意思決定を可能とする経営体制を構築しております。また、当社ではフラットな経営体制を構築し、案件ごとに編成される専任チーム体制をとっております。このことにより、職務分掌、責任の所在が明らかになり、意思決定・伝達の迅速化、経営の効率化を実現しております。さらに、12名の取締役のうち社外取締役4名が選任されており、当社と利害関係のない立場から経営の意思決定に参加することによって取締役会の意思決定に対する適正な監督・監視を可能とする経営体制を構築しております。また、監査役も取締役会に参加し取締役会の意思決定、業務執行状況について監査いたしております。
監査役会は社外監査役3名を含む、4名で構成されており、株主の負託を受けた独立の機関として、企業健全で公正な経営に寄与し、社会的信頼に応えることを目的に、内部監査室及び会計監査人と連携し、取締役の職務執行を監査しております。
指名諮問委員会は社外取締役1名を含む、取締役6名で構成されており、取締役及び執行役員の選任及び解任に関する議案の内容について、当該議案の確定前に検討し、独立社外取締役に意見を求めた上で、取締役会に勧告しております。また、独立性基準の内容につき、取締役会に勧告しております。
報酬諮問委員会は社外取締役1名を含む、取締役6名で構成されており、取締役の報酬等に関する方針(業績連動型報酬についての対象となる業績等の指標の選定及び株式関連報酬の付与基準等を含む。)及び個人別の報酬等の内容について検討し、独立社外取締役に意見を求めた上で、取締役会に勧告しております。
また、その他の機関として、経営会議、内部監査室、内部統制・コンプライアンス委員会を設置しております。経営会議は取締役会において決定された経営基本方針に基づき、業務執行の具体的な方針及び計画の策定、その他連結会計に関する重要な事項等について審議致します。内部監査室は会社における不祥事などのリスクを未然に防止する為の社長直轄の組織として設置しており、業務活動の全般に関し事業所の運営状況、業務実施の有効性及び正確性、法律・法令の遵守状況等について内部監査を実施しており、業務の改善に向け具体的な助言・勧告を行っております。内部統制・コンプライアンス委員会は、内部統制・コンプライアンス体制の整備及び維持を図るために、内部統制・コンプライアンス委員会を定期開催しております。
コーポレート・ガバナンス体制(2024年3月31日時点)
社外取締役が取締役の1/3を構成する取締役会の監督の下、代表取締役社長を委員長とする「内部統制・コンプライアンス委員会」を経営会議の直下に設置し、グループ全体のガバナンス向上を推進しています。
コーポレート・ガバナンス報告書
当社のコーポレート・ガバナンス状況を取りまとめた報告書を東京証券取引所に提出しています。
役員一覧
番号 | 役職 | 氏名 | 当社が特に期待する分野 (最大3つ) | ||||||
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・企業経営 |
・業界知見 ・医療政策 |
・営業 ・マーケティング |
・財務 ・会計 |
IT・ テクノロジー |
人事・ 人材開発 |
・法務 ・リスク管理 ・コンプライアンス |
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01 | 代表取締役会長 | 古川 國久 | ● | ● | ● | ||||
02 |
代表取締役副会長 MSP事業部門長 |
小西 賢三 | ● | ● | ● | ||||
03 |
代表取締役副会長 TPP事業 部門長 兼 海外事業部門長 |
小川 宏隆 | ● | ● | ● | ||||
04 | 代表取締役社長 | 大橋 太 | ● | ● | ● | ||||
05 |
専務取締役 秘書室長 |
横山 裕司 | ● | ● | ● | ||||
06 |
常務取締役 営業戦略本部長 兼 FD事業部門長 |
海野 眞史 | ● | ● | ● | ||||
07 | 取締役 | 島田 正司 | ● | ● | ● | ||||
08 |
取締役 管理本部長 |
安田 芳郎 | ● | ● | ● | ||||
09 | 社外取締役 | 佐野 精一郎 | ● | ● | |||||
10 | 社外取締役 | 今別府 敏雄 | ● | ● | |||||
11 | 社外取締役 | 伊藤 文代 | ● | ● | |||||
12 | 社外取締役 | 西尾 信也 | ● | ● | ● | ||||
13 | 常勤監査役 | 戸田 成重 | ● | ● | ● | ||||
14 | 社外監査役 | 佐野 信行 | ● | ● | ● | ||||
15 | 社外監査役 | 南 浩一 | ● | ● | ● | ||||
16 | 社外監査役 | 水島 藤一郎 | ● | ● | ● |
社外取締役メッセージ
社外取締役 佐野 精一郎
2007年6月 三洋電機株式会社代表取締役社長、2011年4月 パナソニック株式会社(現 パナソニックホールディングス株式会社)専務役員、2016年6月 同社顧問、2017年6月 当社取締役(現任)
当社の社外取締役として8年目を迎えます。当社の取締役会は、社外取締役がとても発言しやすい環境にあり、各議案についても事前に十分な情報共有がなされています。当社のガバナンス面での重要ポイントは、連結子会社の状況把握にあります。現状は、子会社のコンプライアンス上の課題まで、つぶさに報告されており、対応策までも論じられる点は評価できます。ただ今後は、それぞれ事業領域も異なる連結子会社・孫会社に対して、どこまでガバナンスを利かせるかという点について、議論が必要になるものと思われます。「連結売上高1兆円」を目指す企業集団であることも表明しており、成長に向けた積極的な姿勢も評価できます。江坂公園の魅力向上事業など、新規事業の拡大にも期待しています。今後は全社的な連携のもと、人財の確保・育成にも力を注ぎ、さらなる成長を目指してほしいと思います。
社外取締役 今別府 敏雄
2013年7月 厚生労働省医薬食品局長、2014年7月 厚生労働省政策統括官、2019年6月 当社取締役 (現任)
当社の取締役会においては、医療行政や危機管理に永年携わった経験を踏まえ、短期の経営効率にとどまらない中長期の視座を提示することを心掛けた発言に努めています。また、将来に禍根を残しかねないような組織運営の疑義があれば、忌憚なく指摘することを心掛けています。取締役会では、いつも非常に熱心な議論が展開されています。また危急の議案があれば、極めて迅速に臨時取締役会が招集される点も、高く評価しています。コロナ禍での対応についても、極めて大胆かつ的確に対応できていたと思います。当社グループは、自社の強みを発揮しながら、今後も順調に成長を続けるものと見ていますが、創業世代から次世代に経営のバトンが渡される場合でも、組織の硬直化を起こすことなく、風通しの良い会社であり続けてほしいと願っています。
社外取締役 伊藤 文代
2008年4月 厚生労働省医政局国立病院課看護専門官、2016年4月 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター看護部長、2019年4月 洛和会本部採用教育課部長、同年6月 当社取締役(現任)
当社の取締役会では、病院での看護・医療の仕事の経験や、医療行政に携わった経験と知見を踏まえて、当社のお客様にとっての価値が何かという視点を重視し、また当社が大切にする「SHIP」理念を踏まえて発言をするように心掛けています。取締役会に付議される議案についても、「SHIP」理念に基づく経営目標や戦略が事業の現場までしっかり落とし込まれていることには敬服しています。リスク管理の面からは、災害対応、感染対策、従業員の不測事態といったことに加え、今後はカスタマーハラスメントにも十分に気を配る必要があります。これからも、揺るぎない「SHIP」理念のもと、お客様の価値を重んじながら製品・サービスの品質の改善に取組み、新しい商品やサービスを生み出し続けることに期待しています。
社外取締役 西尾 信也
2016年4月 大和証券株式会社代表取締役副社長、2018年4月 株式会社大和インベストメント・マネジメント代表取締役社長、2021年4月 大和企業投資株式会社常勤顧問、同年6月 当社取締役(現任)
証券会社での経験と知見を活かし、取締役会では、特に金融商品取引法の主旨に照らした助言や、当社に対するレピュテーションの観点なども踏まえ、あるべき方向性について意見具申するよう心掛けています。取締役会に付議される議案は、いずれも執行サイドで十分に議論が尽くされ、論点が整理されているため、審議をスムーズに行うことができます。また各部門の責任体制も明確で、内部統制がうまく働いている点も評価しています。一方で、取締役会の運営に関し、資料の配布が直前になることがある点は少し気になっており、今後の改善に期待します。当社は、M&Aを通じて事業を拡大させていくビジネスモデルであるがゆえに、グループ企業に対する「SHIP」理念の浸透が重要な鍵を握ります。今後は、グループ全体の意思疎通が円滑に進む組織づくりに力を注いでほしいと思います。